開業初年度フリーランスの確定申告(青色申告)のやり方・実際の体験談をご紹介

開業初年度フリーランス確定申告のやり方・体験談 フリーランス

こんにちは。フリーランスWebライターの樋口正です。

私事で恐縮ですが、私はフリーランスのWebライターとして2020年度に開業しました。開業する前から確定申告についてはずっと不安に思っていました。何せ開業したてですから、売り上げも安定しない中、顧客獲得をしながら確定申告に向けて動かなければなりません。「果たして本当に締め切りまでに確定申告が終わるのか?」とずっと思い悩んでいました。

しかし、なんとか開業初年度であった2020年度の確定申告を終わらせ、今はほっと一息ついているところです。ようやく顧客に対する営業活動・執筆活動も本腰を入れて再開することができました。記事や関連本を読んだりして、知識面で準備してきた期間が約1年程度。フルコミットで領収書整理や仕分け入力した期間が丸5日程度。かなりの時間を費やしてしまいました。効率が悪い方だとは思います。

確定申告作業をやっている最中は「もっと早く知っておけば良かった」と思わされることの多さに圧倒され、何度も挫けそうになりました。「確定申告って難しそう」と思っていましたが、率直な感想として、フリーランス開業初年度の確定申告はやはり難しかったです。

ちなみに私はe-Taxという電子申告のシステムを使って確定申告作業を終えましたが、この電子申告システム「e-Tax」にもあらかじめ知っておかないといけないような落とし穴が何点かありました。特に、青色申告制度を使って青色申告特別控除の最高金額65万円まで控除を受けたい方にとっては、早めに知っておかなければ致命的なポイントが何点かあります。

開業したて、特に売り上げも安定しないフリーランスの方にとって、税理士さんに確定申告を依頼するのは、資金的にも知識的にも難しいところでしょう。

そこで本記事では、開業初年度の確定申告を最大限までお得に行うために、e-Taxを使って青色申告をするための情報を、実際の体験談に基づいて詳しく解説します。

私のように、所得の種類がフリーランスとして事業で稼いでいる「事業所得」と、サラリーマン時代に会社からいただいていた「給与所得」の2種類のみの方向けに解説します。また、私のように年間の事業からの売り上げ金額が1,000万円以下の方を対象とします。ちなみに、フリーランスではなく、副業をされていて事業所得が20万円以上になる方も、本記事でご紹介する流れで確定申告可能です。

本記事を読めば、フリーランスが開業初年度に確定申告をする実際のやり方がわかり、無理なく確定申告できるようになります。節税や控除を駆使すれば、サラリーマン時代に源泉徴収されていた所得税が還付金として返ってくる(納税するはずだったのが、逆にお金がもらえる)可能性もありますよ!

記事は10分程度で読めるので、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも確定申告とは?

確定申告とは、国に納める税金額を自身で計算し、申告するプロセスです。

フリーランス(個人事業主)は会社員と違い、自分で税金を納めなければなりません。したがって確定申告が必要になります。

以下にフリーランスが納税しなければならない税金をまとめました。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 消費税

中でも最も重要なのが所得税です。「課税所得」が決まることで所得税も決まります。

つまり、上記と別の言い方をすれば、「課税所得を決めて、その金額を税務署に申請する」プロセスこそが確定申告なのです。課税所得が決まれば税金も自動的に決定するからです。

そして、確定申告の際には所得税も同時に納付します。

会社を辞めてフリーランスになる開業初年度の方向けに、「課税所得とは何か」ということをご説明します。今回の記事では、私と同じように辞める前に会社からもらっていた給与と、事業からの所得の2種類の所得だけがある方のケースで考えます。

課税所得について計算するのは、事業所得についてだけです。フリーランスになる前に勤めていた会社からもらった給与所得については、計算しません。給与所得は、事業所得から割り出す課税所得を計算しおわった後で、最後に会計ソフトで入力するだけです。

課税所得は以下の計算式で導きます。

事業の売り上げ金額 – 経費 – 控除 = 課税所得

私の場合であれば、ライター業の売り上げから、執筆のために購入した本などの経費を引いて、そこからさらに使える控除額を引いた金額が課税所得になります。デザイン業であればデザイン業の売り上げ、エンジニア業であればエンジニア業の売り上げです。シンプルですよね。

課税所得を減らすためには、「経費」か「控除」を増やせば良いわけです。

ちなみに退職所得(いわゆる退職金)については、会社を辞めるまでに「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出すれば申告する必要はありません。必ず提出しましょう。私の勤めていた企業では、「退職所得の受給に関する申告書」の存在を人事の方がご存知なかったので、危なかったです。これを申告しなければ一律20.42%の所得税と復興特別所得税が課税されてしまいます。詳しくは国税庁のページで確認してみてください。

住民税は所得税が決まることで確定し、毎年5〜6月に納税通知書が届きます。

細かい計算はあるのですが、住民税は課税所得に対して全国一律10%と思っていただいて構いません。少し変動はあるのですが、おおよそ10%です。

個人事業税はそれぞれの業種ごとに決まっています。ちなみに私の文筆業は税率0%です。デザイナーの方であればデザイン業なので税率5%です。あなたの営む事業の個人事業税については東京都主税局のページで確認してみてください。

最後に消費税です。実は消費税は年間の事業所得(事業の売り上げ)が1,000万円以下の方は納める必要がありません。納める必要はないのですが、クライアントからの売り上げに消費税を含めることは可能です。

もう一度言いますよ。売り上げ金額が1,000万円以下のフリーランスの方の場合は、納める必要はないのに、クライアントから消費税を徴収できるのです。不思議ですよね。しかしとにかくお得なことに違いはありません。

本章の内容をまとめます。

確定申告とは、フリーランス自身が納める税金額を決めるために、課税所得を計算し、計算した金額を税務署に申告するプロセスです。

申告内容をもとに所得税、住民税、個人事業税、消費税が決まります。所得税については確定申告時に一緒に納めますが、住民税、個人事業税、消費税については後で納めます。税額については税務署から後であなたに通知が来ます。

源泉徴収票の役割と還付金について

ここで源泉徴収票の役割について確認しておきます。

源泉徴収票には会社があなたに支払った給与所得額と、源泉徴収税額、社会保険料の金額が記載されています。

給与所得と社会保険料についてはお分かりだと思いますが、源泉徴収税額の役割についてお分かりでしょうか。

源泉徴収税額はあなたが納めるべき所得税額を先回りして会社が徴収した金額です。

さて、ここで賢明な読者の方はお気づきになったかと思われます。

課税所得を計算してはじめて所得税が決まる、とご説明しました。であれば、「先回りして所得税を徴収」というのはおかしいと思いませんか。

そうなのです。計算もしていないのに先回りして所得税を納めているので、計算をすると金額が違ってしまうのです。会社は会社の収入のみの想定で先回りして所得税を徴収しているために、フリーランスで事業所得のある方は確実に金額が違うことになります。

「じゃあ、所得が2つに増えるから、税金も増えるの?」

とお考えになる方もいらっしゃるかと思いますが、違います。

課税所得の計算式を思い返してみてください。課税所得は事業所得から経費と控除を差し引いた金額です。

経費と控除の金額が大きく、フリーランスとして独立してからの所得金額が少ない場合は、源泉徴収された金額よりも、実際に納めるべき所得税額の方が少ない可能性が出てきます。

そのような場合、払い過ぎた所得税額が確定申告後に還付金として返ってきます。感覚的には、「確定申告作業をすることでそのバイト代がもらえる」というイメージです。実際には先回りして会社が払い過ぎた税金を徴収しているだけなのですが、もらえると嬉しいですよね。

ですから、会社から独立したてで売り上げが少ないフリーランスこそ、きっちりと経費や控除を活用して確定申告すべきなのです。

確定申告は青色申告にして節税すべき

確定申告には白色申告と、青色申告の2タイプの申告パターンがあります。

白色申告は簡単で、青色申告の方が難しいです。

しかし、青色申告で確定申告すると、青色申告特別控除という控除が使えるようになります。最大65万円まで控除額が使えるので、節税したい方は青色申告特別控除を使いましょう。青色申告特別控除の控除額は10万円・55万円・65万円控除の3つあります。e-Taxで電子申告、あるいは電子帳簿をつければ最大の65万円控除が利用可能です。

一方白色申告には、このタイプの控除金額はありません。

青色申告特別控除とは別に誰でも使える48万円の基礎控除については白色申告の方でも使えます。

青色申告で確定申告するには開業時に「開業届」と一緒に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要がありますので、忘れずに提出してください。

開業初年度フリーランスの確定申告の流れ・やり方

開業初年度フリーランスの確定申告の流れ・やり方についてご説明します。

開業前

開業前に確定申告(青色申告)に向けてフリーランスが準備すべきことは以下です。

  • 経費になりそうな領収書を集めておく
  • 確定申告ソフトを購入、あるいはクラウド確定申告サービスを契約しておく
  • マイナンバーカードの取得
  • (事業用クレジットカード・銀行口座の取得)

まず、開業前に開業のための準備に使った費用は、事業に関係するものであれば全て開業費として計上できます。ですので領収書を取っておきましょう。領収書でなくとも、明細がわかるものであれば大丈夫です。

確定申告ソフトを購入して、日々コツコツと仕分けの入力作業を行っていくことが理想です。ですから、早めに確定申告ソフトを購入して慣れておきましょう。

マイナンバーカードは青色申告特別控除を最大控除額65万円で使うために必要です。取得までに1ヶ月ほど時間がかかるので、早めにカードを取得しておきましょう。直前になって取得しようと思っても遅いです。実はマイナンバーカードを使わなくてもe-Taxで申告できるのですが、その手段を使うのにも時間と手間がかかるため、マイナンバーカードを取得しておく方が早いです。

また、別にやらなくても良いのですが、事業用クレジットカードと事業用口座を用意しておくと、仕分けが非常に楽になります。私は分けていないのですが、分けたい方は分けておきましょう。

特に、クレジットカードはフリーランスになってからでは信用度が低いため審査に落ちやすくなります。信用度が高い会社員のうちにクレジットカードを作っておきましょう。

開業後

開業したら、まずは「開業届」と「所得税の青色申告承認申請書」を提出しましょう。それぞれの控えも必ず取っておいてください。

開業して本業が落ち着いてから、確定申告ソフトで開始残高を登録します。

開始残高には「元入金」や「開業費」を入力します。ここで開業費は開業までに使った費用を全てまとめて総額だけ入力します。開業費の内訳は自分で表計算ソフトなどに控えておきましょう。

開始残高が入力し終えたら、日々の仕分け入力の開始です。

「仕分け」とは、簡潔に言えば、日々の取引きを「勘定科目」というタイプ別に記帳することです。例えばボールペンを事業で使う方は、ボールペンを購入したら「消耗品費」という勘定科目で記帳。売り上げが上がったら「売上高」という勘定科目で記帳します。このように、日々の取引きを記帳していきます。

確定申告前の年末年始

フリーランス開業初年度の方は、確定申告に使う源泉徴収票を会社から確実にゲットしておきましょう。

日々の記帳を行ってきた方であれば、最後の仕分けを入力し、会計ソフトの案内に則って記帳していくだけでOK。確定申告向けの書類がすぐに作成できます。

この時に源泉徴収票も必要になります。

確定申告期間

本来の確定申告期間は2月16日〜3月15日です。

確定申告期間は例年2月16日〜3月15日

しかし、e-Taxであれば1月4日以降であれば電子申告可能です。つまり、年末までしっかりと日々の記帳を行われてきた方であれば、お正月三ヶ日が終わってすぐ申告作業が完了できます。

3月15日までに申告しなければ青色申告特別控除が使えないので、必ず期限までに申告作業を終わらせましょう。

フリーランスがe-Taxで確定申告する場合の注意点

フリーランスがマイナンバーカードを使ってe-Taxで確定申告をする場合、以下のどちらかが必要になります。

  • マイナンバーカード対応のスマホ
  • ICカードリーダライタ

いざマイナンバーカードを用意したは良いものの、マイナンバーカード対応のスマホを持っていなかった場合が大変。私はこのケースでした。結局ICカードリーダライタを購入し対応することに。カードリーダライタがちゃんと私のマイナンバーカードを認識するかハラハラしましたが、大丈夫でした。早めに購入して確かめておくのが良いでしょう。

また、お使いのパソコンのOSやブラウザをアップデートしなければならないケースもあるので、IT一般に疎いフリーランスの方にはかなり大変かもしれません。

開業初年度フリーランスがよく使う仕分けの勘定科目

開業初年度のフリーランスの方が頻繁に使うであろう仕分けの勘定科目についてご紹介します。

以下2つの勘定科目です。

  • 事業主借
  • 事業主貸

事業主借

「事業主借」はその名の通り、「事業主からお金を借りている」時に使う勘定科目です。

例えば、プライベート用の銀行口座から、事業用の銀行口座にお金を振り込んだ時などに使います。

また、プライベート用の銀行口座と事業用の銀行口座を分けていない場合、給与所得や退職所得がプライベート・事業兼用銀行口座に振り込まれる時も、「事業主借」を使います。会社員を辞めてフリーランスになる開業初年度の方のほとんどは、この「事業主借」の勘定科目を使うことになるでしょう。

事業主貸

「事業主貸」は事業主借の反対です。「事業主に事業用のお金を貸す」時に使う勘定科目です。

例えば、事業用口座からお金を引き出す際には事業主貸を使います。

開業初年度フリーランスが知っておきたい経費のこと

開業初年度フリーランスが知っておきたい経費の知識についてご紹介します。

開業費

開業までに事業を作るために使った経費は、全て「開業費」として経費にできます。

ただし、事業に関係あると証明できなければなりません。

また、開業に関係あると証明できれば期間は遡っても大丈夫ですが、常識的に考えて1年前くらいまでが限界でしょう。

開業費は開業日にまとめて計上するので、開業日以前の仕分けについてはいちいち仕分けする必要がありません。ただし後で税務署が調査にきた時のために内訳はどこかに控えておきましょう。

家事按分

家事按分は、プライベートと事業両方のために使っている費用を、事業に使っている割合だけ経費にできる仕組みです。プライベート事業両方に使っていれば、家事按分できます。例えば以下のような費用は家事按分にできる方が多いです。

  • 通信費
  • 家賃(事務所と家が同じ場合)
  • 水道光熱費(事務所と家が同じ場合)

開業初年度フリーランスだった私が確定申告で迷ったことの体験談

2020年度が開業初年度だったフリーランス1年目の私が、確定申告で実際に悩んだポイントについてご紹介します。きっと開業初年度の方が同じく悩むポイントだと思われます。

事業用・プライベート用と分けていないクレカでの決済について

事業用・プライベート用で分けていないクレジットカードの決済の仕分けを理解するのが大変でした。

事業用・プライベート両用のクレジットカードの決済を仕分けする際、当然以下の2つのパターンがあります。

  • 事業用の経費を支払う場合
  • プライベート用に支払う場合

事業用の経費を支払う場合については、「未払金」の勘定科目を使って仕分けを行います。

例えば、2/3に100円のボールペンを事業用にクレジットカードで購入したとします。そしてその金額が口座から引き落とされるのが3/27だとします。すると仕分けは以下のようになります。

取引日借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
2/3消耗品費100未払金100
3/27未払金100普通預金100

次に、プライベート用の何かをクレジットカードで購入する際の仕分けについて。

2/3に200円のお菓子をプライベート用にクレジットカードで購入したとします。そしてその金額が口座から引き落とされるのが3/27だとします。すると仕分けは以下のようになります。

取引日借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
3/27事業主貸200普通預金200

上記のように2/3には仕分けを行う必要がありません。2/3のクレジットカード決済の取引については会計ソフトで「仕分け対象外」としておきましょう。ただし、2/3に200円を使ったことを控えておかなければ、3/27の仕分けで「事業主貸」に200円を計上するのを忘れてしまいます。ですから、2/3の決済について控えておくか、3/27の仕分けをするときに「仕分け対象外」とするのが良いでしょう。

開業日前の仕分けについて

開業日前の仕分けについてです。費用については開業費でまとめて計上するとお伝えしました。

開業日前の売り上げについては、雑所得で計上するか、事業所得で計上します。この点については諸説あるようなので、ご自身が申告する税務署の担当者の方に聞いてみてください。

開業後、事業とは関係ない決済の仕分けについて

開業後、事業とは関係ない決済の仕分けについて。

事業とは関係ないプライベート用の決済の仕分けは、事業用口座から引き落とされるわけでない限り、仕分け対象外です。事業と関係ないわけですからね。

そもそも確定申告を完璧にやり切れるのかどうか

確定申告のための仕分け作業を実際にやってみるとわかりますが、開業初年度に確定申告を完璧にやり切れるフリーランスがいるとは到底思えません。やり切れるのは税務のプロフェッショナルである税理士さんや会計士さんくらいでしょう。

ですから、完璧主義を捨ててある程度割り切って確定申告を終わらせるしかありません。できる限り完璧に近づけることは必要ですが、そのために業務の時間を延々と削ってしまっては、収入がそれだけなくなってしまいます。

開業初年度については、できる限り頑張れば良いでしょう。

開業初年度のフリーランスこそ確定申告ソフトを使うべきである理由

開業初年度のフリーランスは、売り上げも安定せず、顧問税理士さんに申告作業を頼む資金的余裕がある方は少ないでしょう。

だからこそ、確定申告ソフトを購入し、ソフトにサポートしてもらいましょう。

ちなみに私はクラウド確定申告サービスのマネーフォワードを利用しましたが、とてもわかりやすくて非常に助かりました。マネーフォワードがなければ、おそらく青色申告など複雑すぎてできなかったでしょう。おかげさまで節税できました。

開業初年度のフリーランスでも青色申告で節税しよう

開業初年度のフリーランスほど、資金的に余裕がないでしょう。

だからこそ、青色申告を使ってしっかりと節税しましょう。確定申告ソフトの出費は、青色申告によって元が取れますからね。

樋口 正

フリーランスWebライターの樋口正です。このブログでは、フリーランスに役立つ情報や、Webマーケティングに関する情報などを発信しています。Webライターとしては転職・金融・ビジネスジャンルなどで主に執筆。慶應義塾大学卒。元外資系ITコンサル。ライティングのお仕事のご依頼は「shohiguchiwriting@gmail.com」までお願いします。

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